診療のご案内

うつ病とその治療

うつ病とは気分が落ち込む、物事への興味、関心がなくなる、おっくうになる、悲観的になる、考えがまとまらないといった精神的な症状とともに不眠や倦怠感など身体的な症状も引き起こす病気です。
からだが疲れるのと同じように、ストレスや悩みごとが重なると気持ちや神経も疲れていきます。運動などをしてからだが疲れた場合には、ぐったりとしてかえって普段よりも良く眠れるといったことがあり、翌朝には気分がスッキリしているということはしばしば経験するところです。
しかし、気持ちや神経が疲れるとぐったりとするよりも過敏になってしまい、普段であれば流せることも「ああでもない、こうでもない」と考えっぱなしになってしまうことがあります。このため疲れているのに眠れなくなることが多く、疲れが取れないため、さらにどんどん考えてしまうといった悪循環が生じます。こうした悪循環が続くと次第に疲れが蓄積し、元々はあったはずの意欲がなくなる、興味や関心がなくなる、何を考えても悪い方にしか考えられない、頭が働かなくなる、からだも重く動かなくなる、ついには死ぬことを考えてしまうといった、大変つらい状態になってしまいます。こうした状態のことを医学的には「うつ」と呼んでいます。言い換えれば「うつ」とは気持ちや神経の疲れが蓄積してもともと持っている力を出せなくなってしまう状態のことです。
このためうつ病の治療で最も大切なことは心身の休養です。しっかり休養することで回復しますが、うつ病の方にとっては休養すること自体が難しいことが多いものです。休めない環境に置かれている方や、休むことに罪悪感を持っている方が多いのです。このため当院では休める環境を整えるお手伝いをし、休むための方法を一緒に考えていきます。そして休むのに必要な副作用の少ないお薬を最小限用いることを行っています。うつ病に限らないのですが、人は休むことが出来れば必ず回復していく力を持っています。そうした‘癒える力,を引き出していくお手伝いが出来ればと考えています。

睡眠障害とその治療

睡眠障害と一口で言っても寝付くことが出来ない(入眠困難)、何度も目が覚める(熟眠困難)、朝早く目が覚める(早朝覚醒)など様々なタイプがあります。また入眠時に足などがムズムズして眠れない(レストレスレッグス症候群)など特殊な不眠もあります。
治療としては、生活リズムを整える、日光を浴びる、適度な運動を行う、など生活習慣を見直すことがまずは大切ですが、必要な場合には睡眠障害のタイプを見極めたうえで出来るだけ依存性の少ない睡眠導入剤や漢方薬などを用いた治療を行っていきます。

パニック障害とその治療

パニック障害は、突然呼吸が苦しくなる、動悸がする、立っていられないなどの症状や、このまま死んでしまうのではないかといった強い不安を伴います。症状は必ず治まりますが、繰り返すことが多い病気です。
パニック障害は、何かのストレスや不安、緊張が自律神経の乱れを引き起こすことによって生じます。言い換えると不安や緊張によって体が過敏に反応してしまう状態です。症状を繰り返さないことでこうした体の過敏さがおさまっていくことが治療の最初の段階です。このため自律神経を安定させる薬物療法が必要となります。SSRIという抗うつ薬の一種や少量の抗不安薬、漢方薬などを主に用います。また薬物療法だけではなく、不安や緊張が生じやすい場面におかれたときにどう対処していくか、ということも大切なポイントです。
お一人お一人の生活状況に応じて一緒に考えていきたいと思っています。

社交不安症(SAD)とその治療

会議のプレゼンや人前での発言、スピーチなどの場面で強い緊張や不安に襲われ、動悸や発汗、震え、などが起こる疾患です。昔から知られている対人緊張症と近いものです。
治療にはSSRIという安全性の高い抗うつ薬や少量の抗不安薬、漢方薬などの薬物療法を行います。また人と接する時や会議の場に臨む時の対処の仕方について一緒に考えていきます。
まずは薬物療法で強い緊張や体の症状を和らげるとともに、安心感を持ってそうした緊張する場面に少しずつ慣れていくことが大切なポイントです。

自律神経失調症とその治療

人は緊張する場面や強いストレスを感じる状況の時には、そうした場面に対処するために交感神経と呼ばれる神経が働きます。またリラックスできる状況の時には体や気持ちを緩めようと副交感神経と呼ばれる神経が働きます。この二つの神経のことを自律神経と呼んでいます。強い緊張やストレスに長くさらされたり、不規則な生活が続くとこの自律神経のバランスが崩れてしまいます。そうした時には身体的には異常がないのに動悸や発汗が生じたり下痢が続く、発熱が続くなど様々な体の症状が生じます。人によって起こる症状が一定ではないことが特徴です。まずは血液検査など身体の病気がないことを確認することが大切ですが、自律神経のバランスを回復するお薬や漢方薬、生活リズムの改善、吐く息を大切にする呼吸など色々なアプローチを考えていきます。

大人のADHDとその治療

子どものころから不注意や忘れ物が多い、段取りが上手く出来ない、優先順位を立てることが苦手といった特徴を持った方が少なからずいます。
大人になり社会に出た時にこうした特徴のために損をしたり、生きづらさを感じる方もいらっしゃいます。
まずは生活や仕事の中での優先順位の立て方を工夫すること、耳から聞いた情報を眼で見て分かるように大事なことを文字にしてみることなど生活していく上での必要な工夫について一緒に考えていきます。こうした工夫によって生活しやすくなることは意外にあります。しかしそうした工夫で改善しきれない場合はお薬を用いた治療も考慮していきます。
現在健康保険で使うことが出来るお薬は数種類あり、一定の効果が認められます。

過敏性腸症候群とその治療

仕事や日常生活の中で緊張する場面や大事な時、例えば重要な会議の時、試験に臨む時、車や電車で出かける時、こうした時に限っておなかが痛くなったり、ゆるくなってしまう、といった経験をお持ちの方も多いと思います。消化器内科などで検査をしても体に異常があるわけではないのにこうした症状を繰り返し、困っていらっしゃる方がおみえになります。こうした方は過敏性腸症候群である可能性があります。
生活の中で緊張を和らげる方法を考えていくとともに、過敏性腸症候群のお薬や漢方薬を上手く使うことで生活しやすくなることがあります。当院では皆様の生活スタイルに合わせた治療を相談させていただきます。

月経前症候群(PMS)とその治療

生理の1週間ほど前から、体のつらさとともにイライラする、不安になる、気分が落ち込む、落ち着かないといった辛い症状を感じている方がいます。
ホルモン剤などによる治療は専門の婦人科にお願いし、当院ではその方の体質や症状に合った漢方薬を主とした治療を行っています。一人で悩まれていることの多い症状ですが、漢方薬などの服用によって楽になられる方も多くいらっしゃいます。

認知症とその治療

人は高齢になると、歳を重ねるごとに少しずつ物忘れが増えていくことはあります。こうした加齢による物忘れは自然なことですが、加齢によらない病的な物忘れなどを起こす疾患として認知症があります。一言で認知症といっても、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症、脳血管性認知症など様々なタイプがあります。また一見認知症のように思われる症状があっても、実はうつ病に伴うものであったり、身体疾患に伴うせん妄など元の疾患を治療することで改善されるものもあります。またアルツハイマー型認知症についても、早期に発見し治療を開始することで症状が進むことを遅らせることが出来ます。
従って早期の診断や治療が大切となります。当院では認知症のスクリーニング検査(長谷川式、MMSEなど)を行っています。また名古屋臨床検査センターと連携しMRIなど画像診断をすることも可能です。そして必要な場合には薬物療法を行い、生活上の工夫を考えていきます。

漢方治療について

当院では比較的安全性が高いと考えられる漢方薬を用いた治療を積極的に行っています。
漢方なんて効かないんじゃないの?と思われる方も多いかと思われますが、その方の体質や生活状況、病態などを的確に把握して漢方を選択すれば驚くほど効果を上げることが多いものです。
お一人お一人の生活状況に合わせたオーダーメイドの治療のお役に立てることと、眠気や依存性などの副作用を軽減できる利点があります。

金山メンタルクリニック

心療内科/精神科

〒460-0026
愛知県名古屋市中区伊勢山
2-10-23

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TEL:052-332-5005

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